4. エッセー


エッセーとは

エッセーはビジネススクール受験クライテリアにおいてもっとも重要な要素であると言って差し支えないでしょう。学校側が指定するテーマ・字数制限に従って、自分のこれまでのキャリア、将来のキャリアゴール、なぜ○○ビジネススクールで学ぶことが自分のキャリアの中で必要不可欠なステップであるのか、自分がいかに他の学生に貢献できるのか、をひたすら訴えます。

エッセーのテーマ数は学校によって異なりますが、私が受けた学校は最少で2テーマ最多で6テーマでした。典型的なエッセーテーマとしては以下のようなものがあります。

・あなたのこれまでのキャリアと将来のキャリアゴールについて
・なぜMBAが必要なのか
・なぜ○○スクールなのか

キャリアゴールとWhy MBA?はほとんどどこのスクールでも聞かれることですので、相当早い段階から(春などから)頭の中でロジックを組み立てておいた方が良いと思います。最終的にこのへんはインタビューでももっともよく聞かれる質問でもあります。このふたつのテーマについて、自分の中で納得いくロジックが出来ていないような場合は、ちょっとやばいです。個人的にはそこでちょっと立ち止まって納得いくまでじっくりと考えた方がいいのでは、と思います。

また、字数制限も学校によってまちまちです。字数制限をどこまでstrictに守る必要があるかは結構議論が分かれるところですが、紙で提出したエッセーのワード数をいちいちカウントしているとも思えないので、多少字数制限をオーバーしても問題ないのではないか、と勝手に判断し、どうしてもこれ以上カットできない、カットしたくない、という時はそのまま数十字オーバーしたまま提出したこともあります。

エッセー対策

私はエッセー作成がインタビューと並んでビジネススクール受験プロセスの中では最も好きなプロセスでした。夏ごろから各校のエッセーテーマをA4の紙にコンパクトにまとめたもの(15校分まとめるとどんなに小さな文字でもA4四枚分にはなりましたが)を作って、四六時中ポケットに入れて持ち歩き、電車を待つ間のホームの上やトイレの中(またトイレか)などで暇があればひとりでアイデア出しをしていました。おかげで10月になって本格的にエッセーに取り掛かりはじめた時にも、ほとんどネタで困るというようなことはなかったと思います。エッセーで昔の感動した経験などを文字に落とし込んでいく際に、あらためて「ええ話やなあ」と感動の涙を流したことも多々あります(笑)。これはちょっと自分でも痛い気がしますが。

エッセー対策には予備校に通われる方が多いようですが、私も通いました。色々と事情あって最終的には三人のカウンセラーにエッセーを見てもらったことになりますが、それぞれ持ち味があって良い勉強になったと思います。

ただ、エッセーカウンセリングはまだまだ日本においては供給が完全に不足しているため、半端でなく高い料金を取ります。貧乏私費学生の私としては、嫁さんが日々の生活費を何とか節約してためたお金を湯水のように浪費させされるエッセーカウンセリングは本当に精神的に辛いものがありました。

 

日々の仕事に終われていると何となく月日は過ぎていきます。自分の過去の来し方、現在の努力、将来の目標についてこれほど集中して考える機会というのは、多くの方にとってはなかなかないことでしょう。私にとって、エッセーを考える、というお題目のもとに空けても暮れてもこのテーマについて考え、カウンセラーや受験仲間などに繰り返し語ったこの機会というのは、本当に貴重なものでした。家族というテーマも当然避けては通れないものです。自分は将来家族とどういうふうに暮らしていきたいのか、どういう生活を幸福と捉えているのか、何度も繰り返し考えているうちにだんだんクリアになっていきました。アプリカントの皆様も是非この貴重な機会を利用して死ぬほど考えてみることをお勧めします。