5. ハノーバーの街
ダートマス大学が立地するのは、アメリカ北東部にあるニューハンプシャー州はハノーバーという街です。アメリカの地図の右上のはしっこになります。冬のニューヨークに行ったことのある方は多少想像がつくかもしれませんが、ニューヨークより北に飛行にで40分ほど飛んだボストンからさらに車で二時間強北上した場所にあるので、寒いです。ええ。
ダートマス大学自体も学生数約5000人と小さいですが、ハノーバーの町もこれまた小さいです。かつてこの町で暮らした女優中井貴恵の「ニューイングランド物語-信号三つの町に暮らして-」で副題からしていきなり喝破されているとおり、この町のメインストリートにはわずか信号が三つしかありません。昔、ハマショーが(浜田幸一ではありません)「Money」という歌の中で、「この街のメインストリートわずかー数百メートーオー」と歌っていましたが、ハノーバーのメインストリートは実質100メートルもありません。短かすぎます。なお、メインストリートは三つある信号のうちのひとつがある交差点を挟んで"South Main Street"と"North Main Street"に名前が別れていますが、"North Main Street"の方は「イッツウ(一方通行)」です。これでは「メインストリート」失格です。間違えて一通を逆に進入してきたとしても誰も攻められますまい。
【メインストリート中央地点あたりから北側を望む。右奥の大きめの建物がHanover Innで、交差点に面している。】
【メインストリート中央地点から南側を望む。冬なのでなんだかどんよりした雰囲気ですね。そのうち明るい写真に変えます】
さてこんな小さなハノーバーの街ですが、自然はいっぱいです。そこらじゅうをリスが走り回ってますし、シカの姿などもたまに目にします。クマもいるらしいのですが、私はまだ見かけたことはありません。また、スキー場やゴルフ場を大学が所有しているため、日本の常識に比べれば相当安い値段でそれぞれ楽しむことができます。テニスコートも予約もいらず無料でプレーできます。
【大学脇を流れるコネチカット川。レンタルカヌーがある。冬は凍る】
また、ハノーバーに来て驚いたのは住民のマナーの良さです。歩行者の姿が見えると、横断歩道でなくても車は必ず止まります。日本の常識で運転すると、ここでは思い切り浮きます。また、店のドアなどは次の人のために必ず開けてくれていますし、街ですれ違っても皆にこっと笑って"Hi"と挨拶します。私はハノーバーが初めての海外生活であったため、この人々のフレンドリーさにまずショックを受け、その後都会ボストンに行って人々の冷たさに再びショックを受けました。東京の感覚からするとボストンが普通なのですが。