Ms. Sally Jaeger インタビュー (2001年12月10日 TUCK School Admission Officeにて 聞き手:橋口)
Q.TUCKには二年生14名、一年生12名の日本人生徒がいます。これは他のTop
Schoolと比べると極めて多い数字です。特にTUCKの規模を考えると極めて多いですね。TUCKが特に日本人学生に期待するところなどはありますか。
A.特に日本人はこれぐらいの人数にしようという枠があるわけではないので、たまたまそうなっただけですね。日本人学生に期待する役割も他の国の学生と変わりません。コミュニティの一員になってくれること、教室やスタディグループで積極的に発言して周囲をリードしてくれること、です。今後の日本人の数についても増えるかもしれないし、減るかもしれません。国籍別の枠で学生を選ぶわけではないので、たまたまクオリティの高い学生が集まった年は、結果として人数が多くなるでしょう。
Q.アメリカ人学生と日本人を含むインターナショナルの間で合格率に差はありますか。
A.ほとんど同じだったと記憶しています。
Q.内部基準として、TOEFLやGMATの足切りはあるのでしょうか。
A.まったくありません。どんなに低い点数でも他のアプリケーションを読まないなんていうことは絶対にありません。すべての項目を総合的に評価しています。
Q.今年は東京インタビューがFirst
come, First serve baseから、Invitation
baseに変わったとのことですが、何か理由はありますか?
A.昨年からInvitation
baseだったんですよ。昨年もすべてのカバーレターとレジュメを評価した上でインタビュイーを選んでいました。
Q.今年の東京インタビューは全申し込み人数のうち何人が受けられるのでしょうか。また、インビテーションを受けられなかった場合は、相対的にチャンスは低くなるのでしょうか。
A.約90人の申し込みがあり、こちらのキャパシティの問題で約45人にinvitationを出しました。全員にインタビューできないことは我々の側の問題なので、本当に申し訳なく思っています。Invitationを受けられなかった人についてもチャンスが低くなることはまったくありません。東京インタビューを受けずに合格した人が毎年何人もいることはご存知ですよね。また、アラムナイインタビューは基本的に100%の方に受けていただけるはずです。今回のインタビューを受けられなかった方には、おそらく1月にアラムナイインタビューの案内を出します。その時には再度カバーレターを送ってもらうことになりお手数かけますが、必ず全員にインタビューをできるようにします。
Q.インタビューではどんな質問をしますか?
A.知ってるでしょ(笑)。これまでのキャリアについて、なぜそのキャリアを選んだかについて、なぜわざわざ投資をしてMBAを取るかについて、そして必ず仕事以外の趣味などについても話します。
Q.去年日本のインタビューではどういうわけかみんながみんな犬の話題とスケートの話題をしたと聞きましたが、本当ですか。
A.ええ、本当ですよ(笑)。自分の犬の写真を持ってきた人もいました。でも私は犬もスケートも大好きなので、全員がその話をしても一向にかまいませんよ。
Q.インタビューではアプリカントのどういう点を見ますか?
A.TUCKコミュニティは小さな、特別なコミュニティなので、このアプリカントがコミュニティにうまく入ってくれそうかどうか、みんなと仲良くやっていってくれそうか、という点を中心に見ます。
Q.今年の三つのエッセーから、アプリカントのどういう点を知りたいと考えていますか。
A.一問目ではアプリカントのプロフェッショナルなキャリアについて理解したいと思っています。これまでのキャリアとTUCKで二年間学ぶこととその後のキャリアとが、統一性を持って語られているかどうか、です。二問目と三問目では、アプリカントの人間性をより
(ご参考 - 2002年Essay Questions -)
1. Discuss your career progression to
date. Elaborating on your short- and long-term goals, how do you see your
career progressing after you
receive an MBA? Why do you want an MBA from Tuck?
2.The cooperative manager understands the
critical role of collaborative effort in successful organizations.
Developing the ability to work
effectively in diverse teams is a crucial element of a Tuck education. Please
tell us when in your
post-collegiate personal or professional experiences you have played a major
role in moving a team toward
a goal, and describe what you learned in that experience. How will this impact
your time at Tuck?
3. What
are your interests outside your job or school?
Q.日本人に限らずアプリカントが一般的によくするミスとはどういうものでしょうか。
A.とにかくケアレスミスが多いです。ミススペルなどから、学校名を間違えるのまで本当によく見かけます。他の学校のエッセーを流用してカットアンドペーストをしているのだと思いますが、ずっとTUCKコミュニティについて熱っぽく訴えかけた後で、「早くフィラデルフィアに行きたい」と書いてあると、本当にがっかりします。そういう間違いは、本当に信じられないくらい多いんですよ。何度も何度も読み返してチェックしてほしいと思います。あとはアプリケーションの指示をよく読んでいない、というケースも結構ありますね。
Q.さすがに学校名の間違いをエッセーでした場合、そのアプリカントは他がどんなに素晴らしくてもまず合格できませんか。
A.正直に言います。まず合格を出すことはありません。エッセーにおける学校名は、非常に重要なポイントですよね。このアプリカントは仕事で顧客名を間違えるような不注意な人なのかな、と思ってしまいます。
Q.最後に日本人アプリカントに何かメッセージはありますか。
A.色々なリソースからTUCKのことを是非よく知ってください。ウェブ、在校生、卒業生など、色々とコンタクトして調べてください。TUCKはある意味特別な学校です。小さなコミュニティなので、一人だけでずっと勉強したりある国の学生だけでずっと過ごしたりすることはできません。そういう環境になじまない方も中にはいると思います。ミスマッチは学生と学校双方にとって不幸なことなので、是非事前によくリサーチしてください。ハノーバーは本当に小さな町です。田舎に住むということは、メリットばかりではありません。東京という世界有数の大都会での暮らしに慣れた方にとっては、時に耐えられないこともあるでしょう。その点も是非よく理解してください。
それから、これはTUCKに限らず米国のビジネススクールに留学される方全員に言えることですが、アメリカの授業の進め方には是非慣れておいてください。日本の大学ではクラスパーティシペーションは基本的にないということは知っていますが、完全に頭を切り替えてから来てください。
最後に、もしあなたが英語が不得意だとしても、心配しないで自信を持ってください。TUCKはサポーティブな環境だということを覚えておいてください。ここでならきっとコンフォタブルに発言できることと思います。
(以上)
1993年から8年にわたりTUCKでアドミッションディレクターを務めてきたサリーは、2002年の三月をもってアドミッションディレクターの仕事を離れることが決まっています。しばらく新しいアドミッションディレクターの仕事をサポートした後、現在アドミッションディレクターと兼務しているTUCKのAssistant Dean職に専念する予定です。