MBA留学準備について

受験が一段落した4月頃に実は執筆を開始していたこの「MBA留学準備編」を、7ヶ月もの月日を経てこのたびようやくひとまずリリースすることができました(まだ一部未完成ですが)。遅すぎです。当時と比べ、やや薄れつつある記憶を辿って書きましたので一部記憶違いもあるかもしれませんが、ご容赦ください。


はじめに

MBA留学準備については、数多くの先達のサイトでかなり詳細に紹介されています。私も受験準備中の情報収集などに際し、これらのサイトには実にお世話になりました。このサイトで紹介する内容は、それらの先達サイトの内容を基本的に何ら上回るものではないでしょう。既にかなり真剣にMBA留学を考えていらっしゃる方や、何がしかの準備を始められている方にとっては、すべてご存知のことばかりでしょう。しかし、たまたまこのサイトを見てくれた人の中に、MBAを考え始めたばかりで、いったいどんなことをすればいいのかさっぱり分からんぞ、という方が一人でもいれば、何らかの役には立つのではないか、と思い、一応この項を作ることといたし
ました。(そんな人が果たしてこのHPを見るものかどうか分かりませんが)

なお、この項の内容はあくまで私個人の主観に思いきり基づくものであり、この項の内容に基づき行動を起こされ失敗したとしても知りまへん、と一応書いてみましたが、そんな人はきっといませんね。

もちろん意図した嘘は書いておりませんが。


MBA受験と日本の受験との違い

ビジネススクールの受験は、日本の大学受験とは根本的に異なります。日本の大学受験よりも、はるかにつかみどころのない存在です。日本の大学受験が受験生を一箇所に集めての学科試験で数値化された受験生の能力(を正しく反映しているかどうかはさておき)に基づいて、上から順番に合格者を選んでいくのに対して、MBA受験では学校側が入手した個々の受験生に関するさまざまな情報に基づいて、総合的に判断します。

中には後で触れるGMAT、TOEFL、GPAのように定量化された情報もありますが、その他の情報は多分に定性的な、ある種曖昧なものばかりです。このへんを評価し、decisionを下す過程は、言ってみれば相当「フィーリング」の世界にて行われているものと思われます。

Admission Officeの人々の発言などを読み聞いて推察するに、彼ら彼女らが合格者を選ぶ最大の評価基準として、「その学生が優秀であるかどうか、Business Schoolで他の学生に好影響を与えてくれるかどうか、かつ卒業後成功して学校の名声に寄与してくれそうであるかどうか」という点が、まずあげられると思います。卒業後ビジネスの世界で成功してくれるということは、学校の名声への寄与のみならず、寄付のゲットという意味でも直接的に学校運営を左右します。

しかし、優秀であればいいかというとそういうわけでもないようです。他の学生との属性のバランスなどもまたかなり重要な要素になります。「Diversity(多様性)」という言葉が、Business Schoolは大好きですが、どんなに優秀な学生が揃ったとしても一学年すべてWASPの男性では困るわけで、国籍、人種、性別、キャリア、などなどをバランス良く選ぶことに非常に神経を使っています。

さらに、「その学生が学校の持つカルチャーにFitするか否か」という点も、極めて重要な要素になります。学校によって、「おらどけどけ!他人を蹴落としてもわしが一番になるんじゃい!」系の学生を嫌うところもあれば、別に嫌わない(好む?)ところもあります。

以上のような特徴を有するMBA受験は、よく言われるとおり、日本国内で我々が一般に経験するプロセスとしては「受験」というよりも「就職活動」に近い、と考えていいでしょう。基本的には、人物を総合的に見て、頭の良さ、職務経験の豊富さ、性格、リーダーシップ、ユニークなバックグラウンド、課外活動、、、等々をすべて勘案して、「こいつは欲しい」と思われれば受かり、特に思われなければ落ちる、ということなのでしょう。

ちなみに、受験開始当初、MBA受験生なんていったってたいしたことないだろう、とたかをくくっていた私は、間もなく彼ら、彼女らの多くがとてつもなく優秀な人間であることに気付き、「これはやばい」と思いました。頭が切れるのはもちろんですが、課外活動についても皆相当活発に活動し、ユニークな経験を持っています。そんな「超」がつくほど優秀な彼ら、彼女らでも、トップ校を5校以上受験して全校に合格した、という人を私は知りません(もちろんどこかにいるはずですが)。ある程度の数の学校を受験した私の「超」優秀な知人達は、皆どこかには落ちているわけです。このへんもMBA受験の難しさ、つかみどころのなさを象徴しているといえますし、日本の大学受験との大きな相違点でもあります。


MBA受験に必要なもの

1. TOEFL

2. GMAT

3. GPA

4. エッセー

5. レジュメ

6. 推薦状

7. インタビュー


MBA留学に関わるその他もろもろ (いまだ建設中)

8. 予備校という存在

9. 費用という問題

10. ネットワーキング


最後に

以上、私の個人的経験に基づいて、思うところをつらつらと書かせていただきました。できるだけ、客観的に書いたつもりではありますが、それでも、未熟な人間である私のことゆえ、バイアスを排除しきれていない部分は多々あると思います。

もしも、現在MBA受験を考えていらっしゃる方が、奇特にもこのページを読まれたとしたら、その辺のところを考慮された上で読んでいただければ、と思います。そして、少しでも、万分の一でも、それらの皆様のその後の情報収集の効率化に役立つことができたなら、これに勝る喜びは、阪神タイガース優勝くらいしか思いつかぬほどの喜びでございます。

私にとって、MBA受験は、実に楽しくもハードなプロセスでした。その過程を共に経てきたClass of 2003の皆さんはもちろんのこと、現在まさにハードな戦いの真っ最中であるClass of 2004の方、現在在学中あるいは既に卒業された方、さらにはまだ「MBAでも取ってみようかな」と色んな情報を集めている段階の方も含めて、MBA受験に関わるすべての方に対して、私は何らかの「シンパシー」のようなものを感じずにはいられません。その感情は、国籍・業種・年齢・私費/派遣の別・性別・などなどの属性なんて、まったく関係のないものです。

二年後の私がどうなっているかは、まったく分かりませんが、少なくとも現時点では、「あの時、うじうじ悩んでいないで思いきって飛んで本当に良かった」と思っています。結果がたとえどうであったとしても、受験プロセスを通じて、最高に魅力的な仲間にめぐりあえた一点だけをとっても、そう言い切れるに充分なものでした。
だから是非皆さんも、などと短絡的かつ無責任なことを言いたいのではありませんが、自分の経験の中でそれだけは強調しておきたいことであります。

今後の留学本番の二年間で私が感じたことについては、随時「留学日乗」の中で、ご報告してまいります。素晴らしいこと、辛いこと、腹立たしいこと、凹むこと、色んなことが起こると思います。MBAそのものについての見方もあるいは変わるかもしれません。その点も含め、今は先が見えないこと対して、ワクワクするものを感じています。

以上、本稿に関連して何かご不明な点等あれば、ご遠慮なく直接メールあるいは掲示板でお尋ねください。(おそらくメールの方が多少レスポンスは早いと思われます。)精一杯の回答をさせていただきます。

最後に。皆さんの努力が、実を結びますよう。


「MBA友の会」ホームページに書いた受験体験記

某予備校ホームページに書いた受験体験記